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軽井沢特集
 
 
映画のロケ街道として有名な三笠のカラマツ道を行く。三笠ホテルを過ぎ、やがて山道になるが、白糸の滝をめざして10分ほど一本道を進むと、やがて小瀬温 泉バス停につく。
森繁久弥の老駅長と若い娼婦岡田茉莉子のほのぼのとした愛のものがたりだが、心ならずも出来てしまった赤ん坊を 背に、田舎の小さな駅で老駅長を務める森繁の後姿に涙したものだが、そのロケ地がここ小瀬温泉なのだ。
小瀬温泉には二つのホテルがある。ひとつは国有林のなかに佇む明治9年創業の「小瀬温泉ホテル」そしてもうひとつは「軽井沢パークホテル」である。
小瀬温泉ホテルは、むかしから文人墨客の隠れ宿として知られ、湯は52度、45度、30度の三つの源泉をかかえた無色透明の単純弱アルカリ泉、入り心地の いい天然温泉なのだ。
小瀬川のせせらぎを聞きながら、自慢の鯉料理を食し、山の温泉宿でスローライフな時間を送るのもいいだろう。
中軽井沢から国道146号線をたどるとほどなく星野温泉のバス停につく。
右にハンドルを取ると、村民食堂、トンボの湯、マスコミを賑わす池泉回遊式の「星のや」へとつづく。
村民食堂は洒落た空間で、リーゾナブルな食事を提供する大ホールとカフェ・ハングリースポットからなっている。
ろびろとしたモダンな庭の向こうに一見地味な佇まいをみせるのが「トンボの湯」である。窓はなくグレーの外観は、東利恵設計になるモダンクラシックな温泉ばなれした建物だ。 ちいさな水路を挟んで左右に男湯と女湯がある。
十和田石をふんだんに使った広大な内湯、花崗岩に囲まれた露天の岩風呂、そしてサウナと揃っている。立ち寄り湯でありながら、高級旅館星のやの大浴場もかねているという贅沢なつくりなのだ。
「塩壺温泉ホテル」は、昭和9年に湯川のほとりの温泉を分湯したできた温泉であり、星野の北側に位置している。創業時はやはり草津温泉の仕上げ湯として人気があった。
森に囲まれた静かなたたずまいのホテルで、やや広めの内湯とちいさな露天風呂からなっている。湯の花の浮かぶアルカリ炭酸泉はほろ苦いサイダーの味がするといわれ、ジャグジーや寝湯もある。
近くには江戸初期、千ケ滝と湯川から取水して造られた御影用水の守り神土屋権十の「権十稲荷」がある。宝暦9年の大水害に身を投じて堰を守り、オオカミに襲われて命を失った堰守の御霊が祀ってある。御影用水はいまでも佐久平の田圃をうるわし、稲作の命綱になっている。